心理療法外来( 完全予約制 ) *令和5年11月1日より、一部の心理療法外来(EMDR、うつ病, 社交不安障害, パニック障害, 強迫性障害の認知行動療法, 各種心理検査)の新規受付を再開しております。
当院では、トレーニングを受けた医師と臨床心理士が連携して、様々な心理療法を行っています。
カウンセリングや各種心理療法は、より専門的で長い診察時間を要しますので(1回50~60分)、完全予約制としております。そのため予約料として、1回のセッション料金として、保険診療費+1,000円を申し受けております。
- カウンセリング
患者さんが直面している様々な問題や悩み事をお聞きして、より自分らしく、より楽に毎日を送ることができるようにサポートいたします。
- EMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)
心的外傷後ストレス障害(PTSD)に有効な心理療法です。左右に振られる治療者の指の動きを目で追いながら、過去の外傷体験を想起していくと、恐怖心が薄らいだり、体験の受け止め方が肯定的に変わっていったりします。EMDRの詳細につきましては、日本EMDR学会のホームページをご覧ください。 - トラウマフォーカスト認知行動療法(Trauma-Focused Cognitive Be havioral Therapy;TF-CBT)
TF-CBTは事件や事後、虐待、災害などによってこころの傷(トラウマ)を受けた子どものための心理療法です。諸外国では高い効果が実証されており、欧米のPTSD治療ガイドラインでは、子どものトラウマ治療の第一選択として推奨されているプログラムです。計16回の治療プログラムで、基本的には親子一緒に取り組んでいただきます。EMDR療法と同様に、海外では子どものトラウマ治療法として普及が進んでいます。
- 認知処理療法(Cognitive Processing Therapy;CPT)
CPTは心的外傷後ストレス障害(PTSD)の治療を目的とした認知行動療法です。幼少期からの虐待や性被害、戦争トラウマなど、様々なPTSDへの有効性が示されています。CPT の特徴はトラウマ体験により生じた認知的側面の変化に焦点をあてる治療法であり、特に PTSD 症状に伴う抑うつ状態や罪悪感に対して効果的な心理療法です。対象は成人で、計12回(1回50分)の個人セッションとなります。 - 認知行動療法(Cognitive Behavior Therapy;CBT)
認知行動療法は、何か困ったことにぶつかったときに本来持っていた心の力を取り戻し、さらに強くすることで困難を乗り越えていけるような心の力を育てる心理療法です。代表的な適応疾患はうつ病、パニック障害、社交不安障害です。パラフィリア(性嗜好障害)に対しても実施しております。 - 暴露反応妨害法
強迫性障害に対する行動療法です。暴露反応妨害法とは、苦手と感じてこれまで恐れていたことにあえて立ち向かい(暴露)、これまで不安を下げるためにしてきた強迫行為をあえてしないようにする(反応妨害)ことで、強迫観念と強迫行為を繰り返さないようにしていくことを目指します。
- ソマティック・エクスペリエンシング®( SE™)療法
ソマティック・エクスペリエンシング療法は身体と神経系の統合をベースにした、安全で自然なトラウマ療法です。身体感覚に働きかけることで自律神経系の自己治癒力を呼び覚まし、過去のトラウマによって引き起こされているさまざまな辛い症状を和らげていきます。それによって過去に起きたことに縛られずに、自分らしく生きるという実感を取り戻すことができます。 - ブレインジム
簡単なエクササイズを通して、心と体のバランスを整え、脳の働きを統合するものです。もともとは発達障害の方のために開発されたものですが、現在ではPTSD、統合失調症、不安障害など様々な疾患の方へも、本来の自身のペースやバランスを取り戻すために活用されています。 - 対人関係療法(Interpersonal Psychotherapy;IPT) [新規患者さんのご予約は要相談]
うつ病や摂食障害(主に過食症)に有効な心理療法です。治療は、「重要な他者(自分の情緒に最も大きな影響を与える人)」との「現在の関係」に焦点を当てて行いますが、コミュニケーションのパターンなどに注目することによって、対人関係全般が改善することも期待されます。
なお、当院の臨床心理士(森 ゆみ)はIPT治療者です。
*キャンセルポリシー
キャンセルされる場合には、前日の午前中までにご連絡下さい。前日の午後以降にキャンセルのご連絡をされた場合には、キャンセル料として一律1,000円(上記予約料)を徴収させていただきます。
なお、当日ご連絡なしに来院しなかった場合(当日無断キャンセル)には、上記の予約料1,000円に加え、別途、3,300円(税込み)のキャンセル料(計4,300円)が発生いたします。十分にご注意ください。
・上記キャンセル料をお支払い頂けない場合には、以降の予約はすべて取り消しとさせていただきます。
・予約時間を30分過ぎた場合には、その当日の予約は当日無断キャンセル扱いとさせていただきます。
・当院からの連絡にも応答がなく、無断キャンセルを2回連続した場合には以降の予約は取り消しとさせて頂き、今後の予約も承ることができません。
児童思春期外来 院長(森)と城谷医師が担当します
子どもたちの心の問題は、家庭や学校、福祉の現場などで課題になっていますが、専門の医療機関や医師が少なく、地域のニーズに十分には応えられていないのが現状です。そこで当院では平成26年4月より児童・思春期外来を開設いたしました。医師および公認心理師が連携をし、必要に応じて各種心理検査やカウンセリング、EMDR、トラウマフォーカスト認知行動療法、その他の各種認知行動療法、環境調整、ソマティック・エクスペリエンシング(SE)、ブレインジム、薬物治療などを行っております。
対象年齢は5歳~18歳で、発達障害(ADHDや自閉スペクトラム症、学習障害など)や不安障害(適応障害、強迫性障害、パニック障害、社交不安障害、PTSD、解離性障害など)、摂食障害、睡眠障害、チック障害、抜毛症、気分障害(うつ病や躁うつ病)、統合失調症などを対象疾患としております。また、不登校やいじめ、親子関係、虐待などの問題にも取り組んでおります。まずはお電話にて、初診のご予約をお願いいたします。
*初診は月曜~金曜に受付いたしております。
インターネット・ゲーム依存外来
近年のインターネットの普及およびそれに付随するサービスの発展は著しく、日本でもネット依存に陥る人々(特に中高生の若年者)の増加が懸念されています。
過剰なインターネットの使用が原因で、うつや不安、不登校、攻撃的行動、対人恐怖、睡眠障害、身体的不調、自殺など様々な精神的・身体的な問題が生じることが明らかになっています。発達障害との関連も示唆されており、特にADHDでは約8%がネット依存の疑いがあることが報告されています。
2018年6月にWHOが新たに改訂・発刊したICD-11(国際疾病分類第11回改訂版)には、新たに「Gaming disorder (ゲーム障害)」が掲載されました。しかし、日本ではまだネットやゲーム依存の治療に専門的に取り組んでいる医療機関や施設は非常に少ないのが現状です。
そのため、当院では令和2年4月よりインターネット・ゲーム依存外来を開設いたしました。トレーニングを受けた医師および臨床心理士が連携し、必要に応じて各種検査や集団認知行動療法、臨床心理士による個別カウンセリングを行い、ネット・ゲーム依存からの回復を支援いたします。
背景にADHDや精神障害が併存している場合には、薬物療法を併用することで治療効果が高まるため、積極的な薬物治療の導入も検討いたします。まずはお電話にて、初診のご予約をお願いいたします。
診療支援プログラム
集団認知行動療法(Regardプログラム);計7回の集団治療プログラムです。参加希望者を随時、募集中です。
*院長・森と心理士・久冨は、独立行政法人国立病院機構 久里浜医療センター主催 インターネット/ゲーム依存の診断・治療等に関する研修を修了しております
精神腫瘍外来 副院長(野畑)が担当します
精神腫瘍学(サイコオンコロジー)は、がん医療における精神的、心理社会的問題に取り組み、がん患者さんとそのご家族のより良いQOLに貢献する新しい臨床医学領域です。がんに罹って患者さんは、それまでの生活が根底からゆらぐ体験をします。
病名や予後の告知、医療者とのコミュニケーション、治療に関する意思決定、終末期の鎮静・安楽死の問題、がんサバイバーの社会復帰、家族/遺族のケアなど心のケアに対するニーズはたいへん大きなものです。
当院ではあじさいネット(長崎県内を中心としたITを用いた医学情報共有・医療連携ネットワーク)も整備し、治療状況にあわせた支援を行います。がん以外の身体疾患の場合でも必要に応じて、精神的、心理社会的問題に対する支援に努めますので、どうぞお気軽にご相談ください。